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【無線工学】《アンテナ》(H28-6午前(18))伝送線路の反射について

無線工学アンテナと給電線空中線及び給電線
問題

 次の記述は、伝送線路の反射について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。

1 電圧反射係数は、進行波の電圧($V_f$)を反射波の電圧($V_r$)で割った値($V_f/V_r$)で表される。

2 負荷インピーダンスが伝送線路の特性インピーダンスに等しく、整合しているときは、伝送線路上には定在波が存在する。

3 反射が大きいと電圧定在波比(VSWR)の値は小さくなる

4 整合しているとき、電圧反射係数の値は、1となる

5 反射の大きさは、伝送線路の特性インピーダンスと負荷側のインピーダンスから求めることができる。

解答 5

給電線とアンテナ

給電線とアンテナ
給電線のインピーダンスと違うアンテナを接続すると、送信電力の一部がアンテナから放射されず、反射されて戻っていきます。図のようにアンテナを接続する場合、給電線側のインピーダンス$Z_0$とアンテナのインピーダンス$Z_L$が等しくない場合、反射波と入射波が干渉を起こして定在波が発生します。そのため、インピーダンス$Z_0$と$Z_L$を等しくする必要があります。これを整合をとるといいます。

送信機からアンテナに向かう電圧を$V_f$、アンテナから反射される電圧を$V_r$、給電線側のインピーダンスを$Z_0$、アンテナのインピーダンスを$Z_L$とすると、電圧反射係数$\Gamma$と電圧定在波比$VSWR$は、以下のようになります。

電圧反射係数
$\Gamma = \frac{V_r}{V_f} = \frac{Z_L - Z_0}{Z_L + Z_0}$

電圧定在波比
$VSWR = \frac{V_{max}}{V_{min}} = \frac{1 + \Gamma}{1 - \Gamma}$

整合が取れている場合は、反射波はないので電圧反射係数は0になります。よって、電圧定在波比は1になり、定在波は存在しません。

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