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【無線工学】《中継方式》(H29-2午前(14))地上系のマイクロ波(SHF)多重通信における干渉

無線工学マイクロ波中継方式
問題

 次の記述は、地上系のマイクロ波(SHF)多重通信において生ずることのある干渉について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

1 干渉波は、干渉雑音とも呼ばれる。

2 干渉波は、受信機で復調後、雑音となり、信号対雑音比(S/N)が低下するのでビット誤りに影響を与える。

3 ラジオダクトによるオーバーリーチ干渉を避けるためには、中継ルートを直線的に設定する。

4 アンテナ相互間の結合による干渉を軽減するには、サイドローブの少ないアンテナを用いる。

5 送受信アンテナのサーキュレータの結合及び受信機のフィルタ特性により、送受間干渉の度合いが異なる。

解答 3

ラジオダクトによるオーバーリーチ干渉を避けるには、たとえば2周波中継方式において、中継ルートをジグザグに設定してアンテナの指向性を利用することが多い。

M曲線とラジオダクト

縦軸に高さ$h$[m]、横軸に修正屈折示数(指数)$M$で表したグラフを$M$曲線といいます。修正屈折示数(指数)は、高さ$h$[m]の地点における屈折率$n$と地球の半径$R$[m]に関するもので次式で表されます。
$M = \left(n - 1 + \frac{h}{R} \right) \times 10^6$

M曲線とラジオダクト
$M$曲線は上図の①~④のように表されます。
標準状態の$M$曲線になります。高さとともに屈折率が大きくなります。
は、高さとともに屈折率が小さくなっている箇所があります。この部分を逆転層といい、ダクト(溝)が発生しやすくなります。このダクトをラジオダクトといいます。ラジオダクトが発生すると、ダクト内を電波が通っていき、見通し外距離まで電波が伝搬することがあります。
は転移形とよばれるM曲線です。
は準標準形のM曲線です。

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