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【無線工学】《送受信装置》(H29-10午前(10))受信機の内部で発生した雑音

無線工学雑音指数送受信装置
問題

 受信機の内部で発生した雑音を入力端に換算した等価雑音温度$T_e$[K]は、雑音指数を$F$(真数)、周囲温度を$T_o$[K]とすると、$T_e = T_o(F-1)$ で表すことができる。このとき雑音指数を7[dB]、周囲温度を17[℃]とすると、$T_e$の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、$\log_{10}2 = 0.3$とする。

1 580[K]
2 870[K]
31,160[K]
41,450[K]
52,030[K]
解答 3

与式の右辺の$T_o$は、17 + 273 = 290[K]で、$F$を真数で表示すると、$10^{0.7} = 10^{(1 – 0.3)} = 10/10^{0.3} = 10/2 = 5$であるから、与式にそれらの諸量を代入して、$T_e$は次のようになる。

$$T_e = T_o(F – 1) = 290 \times (5 – 1) = 1,160 [K]$$

雑音

雑音には、内部雑音外来雑音があります。
(1)内部雑音 ・・・ 熱雑音など
(2)外来雑音 ・・・ 天空雑音、人口雑音など

(1)内部雑音
熱雑音は、導体中の自由電子の運動により生じる雑音で、これにより導体の端子にランダムな雑音電圧が発生する。
$P_N = \bar{e_n^2} / 4R = 4RkTB / 4R = kTB$ [W]
$P_N$は、有能雑音電力といわれ、内部抵抗$R$に無関係で、温度周波数帯域幅のみで決定される。

(2)外来雑音
自然環境からの雑音として最も大きいのは雷雑音である。そのほか、遠距離無線通信に影響する電離層による雑音がる。人口雑音としては、電気溶接機などの火花放電による雑音や高圧送電線のコロナ放電も付近の通信ケーブルに雑音電流を誘導する。

雑音指数

受信された信号は、受信信号電力と途中で混入された雑音電力で表されるのが普通であり、これをS/N(SN比)と呼んでいます。

信号が増幅器や伝送路に加えられた場合、出力には増幅器から発生する雑音や、線路の損失などが新しく加わり、入力のS/Nに比べて、出力のS/Nが劣化します。この入力と出力のS/Nの比を雑音指数$F$といいます。
$F = \frac{S_i / N_i}{S_o / N_o}$
雑音指数$F$は、入力のSN比より出力のSN比の方が悪い(小さい)ので、つねに1より大きくなります。

増幅器で発生する内部雑音を入力雑音に換算したものを入力換算雑音電力$N_i$といい、
$N_i = kTBF$[W]で表されます。

また、増幅器の雑音を等価雑音温度で表すことがあり、等価雑音温度$T_e$は、
$T_e = T_0 (F - 1)$($F$は雑音指数(真数)、$T_0$は周囲温度[K])
で表されます。

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