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【無線工学】《変復調》(H29-6午前(9))直交周波数分割多重(OFDM)伝送方式について

無線工学変復調多重伝送
問題

 次の記述は、直交周波数分割多重(OFDM)伝送方式について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

1 ガードインターバルは、遅延波によって生ずる符号間干渉を軽減するために付加される。

2 各キャリアを分割してユーザが利用でき、必要なチャネル相当分を周波数軸上に多重化できる。

3 各キャリアの周波数間隔 $\Delta f$ は、有効シンボル機関長(変調シンボル長)$T_s$の逆数($\Delta f = 1 / T_s$)と等しくなっている。

4 OFDM伝送方式を用いると、一般に単一キャリアのみを用いた伝送方式に比べマルチパスによる遅延波の影響を受け難い

5 高速のビット列を多数キャリアを用いて周波数軸上で分割して伝送することで、キャリア1本当たりのシンボルレートを高くできる。

解答 5

高速のビット列を多数キャリアを用いて周波数軸上で分割して伝送することで、キャリア1本当たりのシンボルレートを低くできる。

多重通信方式

伝送能率を良くするために、複数の信号を同時に伝送することが考えられます。このために、信号相互間に影響がでないように、搬送波周波数または時間をずらして並べる方法があります。また、さらに搬送波周波数も時間もずらさず疑似雑音符号(PN符号)を用いる方法もあります。

【FDM(周波数分割多重)】
FDMは、各信号が重ならないように搬送波をずらして周波数軸上に配置して伝送します。特に、各搬送波の直交性が保たれている伝送は、OFDM(直交周波数分割多重)といいます。OFDMは、遅延波により生じる符号間干渉を軽減するため、ガードインターバルが付加され、マルチパスの影響を受けにくくなっています。

【TDM(時間分割多重)】
TDMは、各信号が重ならないように時間をずらして一つの伝送路で伝送します。多重化された信号は送受信間で同期をとる必要があります。同期方法には、網同期方式と独立同期方式があります。

【CDM(符号分割多重)】
CDMは、各信号が重ならないように疑似雑音符号(PN符号)を使用することで多重化を行います。同じ周波数で、時間もずらすことは必要ありません。送信側では、信号をPN符号で拡散変調(乗算)し、出力します。拡散されると周波数帯域幅が広がります。このスペクトル拡散技術は、直接拡散(DS)方式と周波数ホッピング(FH)方式があります。受信側では、同じPN符号で乗算(逆拡散)することにより、目的の信号を得ることができます。

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