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【無線工学】《変復調》(H29-6午前(8))パルス符号変調(PCM)における量子化について

無線工学PCM多重・変調変復調
問題

 次の記述は、一般的なパルス符号変調(PCM)における量子化について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。

1 音声などの連続したアナログ信号の振幅を一定の時間間隔で抽出し、それぞれの振幅を持つパルス列とす。

2 何段階かの定まったレベルの振幅を持つパルス列を、1パルスごとに2進符号に変換する。

3 一定数のパルス列に余分なパルス列を付加して、伝送時のビット誤り制御信号にする。

4 受信したPCMパルス列から情報を読み出し、アナログ値に変換する。

5 アナログ信号を標本化パルスで切り取ったときの振幅を、何段階かに分けた不連続の近似値に置き換える。

解答 5

ほかの記述は、以下となる。

1 標本化

2 符号化

3 誤り訂正

4 復号化

PCM(パルス符号変調:Pulse Code Modulation)伝送

アナログ信号の情報を"1"と"0"の2進符号に変換し、これをパルスに対応させて伝送する。アナログ信号をデジタル信号に変換する場合、一般に、①標本化②量子化③符号化④復号・補間の手順で行われる。

①標本化
アナログ信号の波形をある一定の時間間隔でサンプリングして、振幅を標本値として採取する。この操作を標本化という。標本化(サンプリング)定理により、アナログ信号に含まれている最高周波数の2倍以上の周波数を標本化(サンプリング)周波数として設定すると、元のアナログ信号の波形を復元することができる。
たとえば、音声信号の場合、音声信号に含まれる最高周波数が4kHzであれば、その2倍の8kHzでサンプリングを行えば、受信側で元の音声信号を再現できる。

②量子化
標本化で得られた標本値(パルス)は無数の値を示すが、この標本値を一定のステップに区切る。この操作を量子化という。区切られたステップ数を量子化ステップという。

③符号化
量子化によって得られた段階的な標本値を"1"と"0"の2進符号に変換する。この操作を符号化という。符号化に必要なビット数は、量子化ステップ数により異なり、量子化ステップ数が256個であれば8ビット($256 = 2^8$)が必要になる。

④復号・補間
受信側では、逆の操作により元のアナログ信号を取り出す。この操作を復号という。受信側では、まず復号器によって符号から振幅のあるパルス列の信号に戻される。次に、伸張器によって元の標本化パルス列の信号(PAM信号)に戻される。さらに、標本化周波数の2分の1を遮断周波数とする低域フィルタ(ローパスフィルタ)による補間操作で、元の音声信号に復号される。補間とは、離散的なデジタル信号の間を埋めて連続的なアナログ信号にすることである。

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