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【無線工学】《変復調》(H29-2午前(9))デジタル伝送における伝送誤りについて

無線工学PCM多重・変調変復調
問題

 次の記述は、一般的なデジタル伝送における伝送誤りについて述べたものである。$\boxed{   }$ 内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、信号空間ダイアグラム上の信号点が変動し、受信側において隣接する信号点と誤って判断する現象をシンボル誤りといい、シンボル誤りが発生する確率をシンボル誤り率という。また、信号空間ダイアグラムにおける信号点の間の距離のうち、最も短いものを信号点間距離とする。

(1) 例えば、16相PSK(16PSK)と16値QAM(16QAM)を比較すると、一般に両方式の平均電力が同じ場合、16値QAMの方が信号点間距離が$\boxed{ A }$、シンボル誤り率が小さくなる。したがって一般に、多値変調ではQAMが利用されている。

(2) また、雑音やフェージングなどの影響によってシンボル誤りが生じた場合、データの誤り(ビット誤り)を最小にするために、信号空間ダイアグラムの縦横に隣接するシンボルどうしが1ビットしか異ならないように$\boxed{ B }$に基づいてデータを割り当てる方法がある。

AB
1短くグレイ符号
2短くハミング符号
3長くグレイ符号
4短く拡散符号
5長くハミング符号
解答 3

(1) 16相PSKと16値QAMの比較では、平均電力が同じ場合、信号点間の最小値が長い16値QAMの方がシンボル誤り率は小さいので、多値変調ではQAM方式が利用される。

(2) 雑音などでシンボル誤りが生じた場合、誤り率を最小にするため、信号空間で隣接したシンボルどうしが1ビットしか変化しないようなグレイ符号を割当て、ビット誤りがあっても大きな変化が生じないようにする。

デジタル変調

ASK(振幅シフトキーイング)
1,0のデジタル信号に対応して、搬送波をONOFFさせる方式。しかし、この方式はほとんど使用されていません。

FSK(周波数シフトキーイング)
1,0のデジタル信号に対応して、搬送波の周波数を変化させる方式。

PSK(位相シフトキーイング)
1,0のデジタル信号に対応して、搬送波の位相を変化させる方式。

QAM(直交振幅変調)
搬送波の振幅位相の両方を変化させる方式。

グレイ符号(交番2進符号)

グレイ符号(交番2進符号)は、となり同士の数字とは1ビット違いになっており、ビット誤りを小さくできる。以下、グレイ符号の8PSKと16QAMを示す。

【8PSKの信号空間ダイアグラム】
8PSK
【16QAMの信号空間ダイアグラム】
16QAM

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