問題
図に示すように、起電力$E$が100[V]で内部抵抗が$r$の交流電源に、負荷抵抗$R_L$を接続したとき、$R_L$で消費される電力の最大値(有能電力)が20[W]であった。このときの$R_L$の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1 | 100 [$\Omega$] |
2 | 125 [$\Omega$] |
3 | 200 [$\Omega$] |
4 | 250 [$\Omega$] |
5 | 500 [$\Omega$] |
解答 2
最大供給電力の定理
内部抵抗$r$、起電力$E$の電圧源に抵抗$R_L$を接続した時、抵抗$R_L$に供給される電力の最大値は$E^2/4R$であり、この時の$R_L$は$r$に等しい。
[証明]
抵抗$R_L$で消費される電力$P_R$は以下となる。
$P_R = R_L \left(\frac{E}{r + R_L}\right)^2 = R_L \left(\frac{E^2}{r^2 + 2rR_L + {R_L}^2}\right) = \frac{E^2}{\frac{r^2}{R_L} + 2r + R_L}$
$P_R$が最大になるためには、上式の分母が最小になればよい。
分母に注目して、最小値の定理より、$R_L = \frac{r^2}{R_L}$の時に最小になる。
よって、${R_L}^2 = r^2$ より$R_L = r$ の時、電力$P_R$は最大となる。
$R_L$で消費される電力は$r = R_L$のとき最大となる。よって、そのとき$R_L$で消費される電力は$r = R_L$を用いて以下となる。
$$P = {\left(\frac{E}{r + R_L}\right)}^2 R_L = \frac{E}{4R_L}$$
したがって、$R_L$は次のようになる。
$$R_L = \frac{E^2}{4P} = \frac{100^2}{4 \times 20} = 125 [\Omega]$$