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【無線工学】《基礎理論》(H28-6午前(5))トンネルダイオードについて

無線工学基礎理論半導体・ダイオード
問題

 次の記述は、トンネルダイオードについて述べたものである。$\boxed{   }$ 内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

(1) トンネルダイオードは、不純物の濃度が一般のPN接合ダイオードに比べて$\boxed{ A }$P形半導体とN形半導体を接合した半導体素子で、エサキダイオードともいわれている。

(2) トンネルダイオードは、その$\boxed{ B }$の電圧-電流特性に負性抵抗特性を持っており、負性抵抗が電子のトンネル現象に由来するため高速動作が可能であることを利用して、マイクロ波からミリ波の発信に用いることができる。

AB
1低い順方向
2低い逆方向
3高い逆方向
4高い順方向
解答 4

(1) トンネルダイオードは、一般のPN接合ダイオードと比べて、不純物濃度が高いP形とN形半導体を接合した半導体素子である。

(2) トンネルダイオードは、順方向電圧を増加させると最初電流が増加するが、ある領域で電流が減少するような負性抵抗特性を示す。

ダイオードの種類

(1)定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)
ダイオードに逆方向電圧をかけると、通常逆方向電圧では電流が流れないが、ある一定値を超える逆方向電圧をかけると逆方向電流が急激に増大する降伏現象が起きる。ある一定値を降伏電圧という。電流の変化に対して電圧はそれほど変化がないことから、定電圧回路として利用されている。

(2)バリスタ
電圧-電流特性が原点に対して対称で、原点付近では高抵抗になっており、ある一定以上の電圧・逆電圧をかけると急激に抵抗が下がり急激に電流が流れ出す特徴がある。この特徴を利用して、回路の電気的衝撃防止や自動調整機能などに利用される。

(3)可変容量ダイオード
pn接合に逆方向電圧をかけると、電圧の大きさによって空乏層の幅が変化し、逆方向電圧が大きくなると空乏層の幅が大きくなる。この空乏層はコンデンサの働きをする。逆方向電圧を制御することによって、静電容量を変化させることができる。

(4)発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)
電気信号を光信号に変換する発光素子である。pn接合の間に極めて薄い活性層を挟み、順方向電圧を加えると光を発する。

(5)半導体レーザダイオード(LD:Laser Diode)
発光ダイオード(LED)と同じく電気信号を光信号に変換する発光素子である。これもpn接合の間に極めて薄い活性層を挟み、順方向電圧を加える。光の波長の整数倍の長さに切断した両面を反射鏡とした構造で、活性層の間に閉じ込めた光を誘導放射により増幅し共鳴させることでレーザ発振を起こさせる。レーザ光の一部を放出する。

(6)ホトダイオード
光信号を電気信号に変換する受光素子である。pn接合に逆方向電圧を加え、pn接合面にを当てると逆方向電圧が増加する。

(7)トンネルダイオード(エサキダイオード)
不純物濃度を大きくしたpn接合ダイオードで、トンネル効果により小さな電圧で大きな電流が流れる。また、順方向電圧を上げていくとトンネル効果が減少する領域があり、この領域では負性抵抗を示します。この負性抵抗は、マイクロ波域まで応答性があるためマイクロ波発振回路に利用されます。

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